【節税テクニック】損益通算・損だしを活用し賢く節税しよう!
皆さんこんにちは!
アラサー係長です!
今年も残りわずかになってきましたね…。
みなさんは今年の投資実績はいかがだったでしょうか?
年間通して結果が良かった方。含み損を抱えている方。
様々な方がいらっしゃると思います。
そんな私たち投資家は年末にかけて気にしておかなくてはいけないことがあります。
そうです!
節税です!
株式の年間取引は1/1~12/31までを指します。
仮に1年間の投資実績にて利益がある場合、それらに税率を掛け税金を納めなくてはなりません。
ですので、年末までに税金をコントロールする必要があります。
今回の記事では、そんな節税テクニックの1つとして「損益通算」と「損だし」について解説していきます。
特に含み損を抱えている方には有益なテクニックとなると思いますので最後までご覧いただけますと幸いです!
それでは参りましょう!
損益通算とは?
損益通算とは、投資による利益と損失を相殺し、利益に掛かった税金を取り戻すことを言います。
この利益と損失は1年間の中で計算します。
利益には、譲渡益(株価の上昇による利益:キャイタルゲイン)や配当金(配当による利益:インカムゲイン)の2種類があります。
例えば、1年間の利益が50万円だった場合と仮定します。
この50万円に税率20.315%がかかります。
わかりやすく税率20%とすると…税金は10万円掛かることになります。
結果、手取りの利益は40万円となります。(利益50万-税金10万円=手取り40万円)
これが一般的な納税方法です。
今回紹介する「損益通算」を行うとこの手取り額を増やすことができるのです。
含み損を抱えていた場合、含み損銘柄を売却し損失を確定します。
例えば、利益50万円・損失10万円があったとしましょう。
利益と損失を合算すると利益40万円になります(これを損益通算と呼ぶ)
この利益40万円分に税率20%が掛かることになるので、税金が8万円になりました。
本来10万円だった税金が8万円となり、結果-2万円の節税になったことになります。
結果、手残りの利益も42万円と増えました。
これが損益通算です!
結構シンプルな考え方ですよね!
では実際に税金が還付されるタイミングを見ていきましょう!
税金が還付されるタイミング
損益通算による税金の還付タイミングは、譲渡益と配当金利益では異なります。
譲渡益の場合(売却益-売却損):その都度税金が還付される
配当利益の場合:配当との損益通算は年明けにまとめて還付される
1つの証券口座(特定口座・源泉徴収ありの場合)であれば、証券会社が自動で計算してくれます。
なので、確定申告が不要です!
私が利用している楽天証券を使って実際の確認方法を見ていきましょう!
楽天証券の損益通算確認方法
まずは楽天証券のトップメニューを開き右上のマイメニューを押します
メニュー一覧が出ますの「損益・税金履歴」の「特定口座損益(譲渡損益)」をクリック
すると、今年1年間の特定口座に関する損益・利益が表示されます
左上に記載している譲渡損益額合計は売却等によるキャピタルゲイン収益を表しています。
中央上段にある配当・分配金合計(税引前)は1年間の配当(インカムゲイン)収入を表します。
年間30万円近く配当金をもらっていることになりますね☆
図のピンク枠部は、各収益に税率×20.315%を掛けた徴収税額を算出しています。
このままですと税金を約5万円納めなくてはなりません。
そこで含み損を抱えている銘柄を売却し損を確定します。
すると以下のようになりました。
譲渡損益額合計がマイナスになり、総額の金額が減っております。これが損益通算した状態です。
結果、徴収税金額が減少し還付される金額が増えています!
これらが損益通算による節税パワーです!
配当収入分の金額を損だしできると、還付予定額が最大限活かせますね!
上記のようなパターンは前述したとおり、配当との損益通算になるので年明けにまとめて還付されることになります。
大きな含み損がある人は繰越控除を活用しよう
年間の投資成績が振るわず、大きな含み損がある方はどうすればよいでしょうか?
そんな方に強い味方があります。
“繰越控除”です。
損失の繰越控除とは?
本年度に生じた損失金額を、翌年以降3年間にわたり繰り越せて、翌年以降の利益から差し引ける制度です!
3年間の繰越控除が受けられるため、来年、再来年に利益が出た場合、損失を繰越し相殺することができます。
繰越控除を行う際にいくつか注意ポイントがあります
- 源泉徴収ありの特定口座でも売却損の繰り越しは確定申告が必要(分離課税)
- 繰越控除の確定申告は毎年連続して行うこと
- 源泉徴収ありの特定口座で売却益がある場合は他口座の売却損も要確認
- NISA口座で「損」が出ても損益通算や繰越はできない
- 損益通算・繰越控除を利用すると「配当控除」が使えなくなる
同じ証券口座内での損益通算では確定申告が不要でしたが、繰越控除は確定申告が必須となります。
また、1回確定申告しておけば自動的に3年間繰り越してくれるわけではありませんので注意が必要です。
その都度、確定申告する必要があるということですね。
少々、手間にはなりますがしょうがないですね。
複数の特定口座を保有している方は、それぞれの口座の売却益・売却損の把握を必ず行いましょう。
売却益が他の口座での売却損より多い場合、差し引きの売却益が合計所得金額に加算されます。
その結果、本人や家族の増税や社会保険料増額につながることも可能性もあり注意が必要になります。
また、NISA口座での取引では「損益通算/繰越控除」は対象外です。
確定申告に際して、通常の課税口座での取引とNISA口座での取引は、完全に別物と理解しておきましょう!
損だしテクニックを活用しよう
ここまで、損益通算・繰越控除について解説してきました。
上記2つは、売却損を売却益と相殺して税金を節税することをメインとした手法ですが、
「損だし」は売却した銘柄を、再度買い戻す行為をいいます。
株価が下がっているタイミングで再度買い戻すことになるので、平均取得価額を下げながらポートフォリオを維持することができます。
また、配当金が出る銘柄であれば配当利回りも高くなる。などのメリットがあります。
しかし、この「損だし」には1つ注意点があります。
それは、
買い戻しするタイミングは「翌営業日以降」ということです。
特定口座の特性上、同じ日に売却・購入をしてしまうと「損だし」が上手くできないので注意が必要です。
また、翌営業日以降の買い戻しなので株価も売却時の価格と異なる可能性があります。
あわせて理解しておきましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
知っていると得する節税テクニック「損益通算」について解説してきました!
このテクニックを知っていると、含み損を抱えていてもポジティブに物事を捉えることができますよね。
また、優良銘柄であれば損だしすることで
株価が安いタイミングで購入し、そこから長期保有するキッカケにも繋がると思います。
毎年、年末付近になったら気にしておきたい節税テクニックの1つになりますね!
今回は以上となります!
皆さんの「守る力」の向上になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました!